本の妖精リブロン
『本の妖精リブロン』(末吉暁子、あかね書房、2007年10月)
ご高著を拝受しました。東逸子さんの素敵な挿絵がふんだんに盛り込まれた中篇です。小学校4年生のアミは本の虫。田舎から都会に引っ越してきた転校生で、本がふんだんな図書室に大喜びします。と、そんなアミの前に、しおりひものようなしっぽをもち、薄い羽のある小さな男の子の妖精リブロンが現れます。リブロンは、次の満月までに本好きの子に20冊の本を読んでもらわなければ栞にされてしまうとか。その代わり、読み終えれば、素敵なごほうびがあるのだといいます。アミは張り切って読書を始めますが、考えごとが多くてはかどりません……。
コーヒーを飲みながら、末吉さんの読みやすい語り口に引き込まれ、アミのとまどいの淡い初恋心や新しくできた友達のチカとのやりとりを楽しく読みました。私も「本の虫」と言われていた小学校のころを思い出しましたし、それからデジャブを感じたのは、宮崎アニメの「耳をすませば」。←年齢も高いし、図書館の果たす役割も違うし、チカのお兄ちゃんとアミがお付き合いをするわけでもないのですが、なんとなくキュンとする感じ(?)に似たものを感じて。図書室に理解ある女の先生っていうのもいいですよね。私の小学校には、そんな気の利いた先生はいませんでした。「鈴木さん、本ばかり読んでないで、校庭で(子どもらしく元気に)遊びなさい」なんていわれたこともありましたし。
そうそう、実際、本の中で肝心なのは、首尾よく20冊を読んだアミとリブロンが飛び込んでいくお話の世界です。アンデルセン童話の間テクスト性を持つ(要は引用している)お話で、村上勉さんが絵を書かれた『きょうはへんなひ』も思い出しました。そのお話へのコミットが、「その世界に飛び込んでいくというお話になる」というのが創造のおもしろさ。末吉さんからアンデルセン童話への愛情が伝わってくる気がしました。
たくさんの本好きの子に読まれるといいなあと思います。末吉さま、ご出版おめでとうございました。
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Comments
『本の妖精リブロン』ご紹介くださって、ありがとうございます!
鈴木宏枝さんも、「本の虫」と呼ばれていたんですね。
なんだかうれしいです。
たしかに、子どものころは、本ばかり読んでいる子って、うざったいと思われがちですよね。
だけど、一握りの本好きな子って、いつの時代にも必ず存在するし、本の中へ行ってみたいと夢想する子どもかなりいると思うのですよ。
私があの本を選んだのは、やっぱり、子どものころ読んで、「なぜそうなるの?」とか、ちょっとあの登場人物にあって、話してみたいとかいう、こだわりがあったからかなあという気がします。
鈴木さんだったら、どんな本の中に入ってみたいですか?
ちょっとお聞きしたいです。
Posted by: すえよしあきこ | 2007.10.29 at 01:53 PM
末吉さま、コメントをありがとうございました。
考えてもいなかったことで、つらつら考えているうちに長くなったのでエントリーにしてみました。
本好きな子。この業界?では当たり前かもしれませんが、世の中的にはone of themなのですよね。。
でも、やはり本の想像力って特別だと思いますし、自分の子には読書の楽しさをずっともっててほしいなあと思います。
Posted by: 鈴木宏枝 | 2007.10.30 at 10:23 AM