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February 2006

1歳の誕生日と今のわたし

cake
 Tくん1歳の誕生日でした。Tさんは、昨日の夜から、「明日、Tちゃん1歳だね」といいつづけ、朝、目が覚めたとたんに「お母さん、今日Tちゃん1歳なの?」といいました。二人で卵を使わないココアケーキを作り、3時に私の両親に来てもらって、Happy Birthdayの歌を歌って、ケーキといちごプリンを食べました。1kgほどのおもちも背負わせて、ぺったんと上手にしりもち。これは、歩けちゃうよりもしりもちをついたほうがいいらしいです。結局、11ヶ月で歩いたTさんに対し、Tくんはゆっくりのようで、誕生日前には歩きませんでした。でも、Tくんも、伝い歩きとハイハイでどこにでも行き、階段も好きです。ついでに、8ヶ月で勝手に卒乳したTさんに比べ、Tくんはいつまでも母乳が大好きのようです。
 よその人には「あっという間に大きくなるね」といわれますが、0歳の1年間というのは、当事者にはそれなりに長いです。長く感じました。ふにゃふにゃの新生児から穏やかな低月齢時代を経て、いまや相当に自己主張するようになったTくんにとっても、大きな1年だったのではないかと思います。
 馬の仔などは生まれてすぐに立ったりするわけで、生物としてみるなら、1歳くらいで生まれるとちょうど天敵に襲われたり体力がなくて死んだりすることがなくていいのかも。でも、2年間も妊娠するのはちょっと勘弁です。生物的にはおなかの中にいるようにゆったり優しく包み、動物ではなく頭の発達した人間的には、適度な刺激とコミュニケーションをかわすことが、大事なのでしょう。さじ加減がこの時代の子育てというわけです。
 子育て、といいますが、おむつを替えたり、ミルクや母乳を飲ませたり、着替えさせたりするのは枝葉末節。その子に対してある程度までマネージメントをして、衣食住だけでなく、貯金をしたり、情操的に関わったり、学校や習いごとを考えたり、友達付き合いをしたりすること、安全を保障したり、家をととのえたりすること全部が子育てです。だから24時間。平日の朝11時ごろにすいた電車に子ども3人連れて乗っていたりするお母さんなど、平和でのんきと思われるかもしれませんが、ノー。頭も身体もフル回転で、会社を3つ経営しているようなものですよ?
 
 今の自分の状況を考えてみると、お金をもらうという意味での仕事としては、4月から始まる週2日の講師、リーディング、各種評論などの原稿書き、育児・ベビー関連のレギュラーのライター、というのがあります。共著含めた本の計画は3冊進行中です。お金がからまないほうだと、IRSCL2007大会の実行委員の仕事や今白百合で参加している2つのプロジェクトがあります。その他、飛び入りでいろんなことを頼まれます。自分だけで進めなければならない研究としては、ずっとひっかかっている論文、海外誌への投稿など、それこそいろいろ懸案があります。あと時間的に一番やっていることといえば子育てでしょう。
 だけど、お金をもらうか否かで仕事かどうかは実は分けられず、なんというか、最近思うのは、すべてresponsibilityの範囲内であるということです。だからといって、「鈴木さん、原稿料いらないらしいよ」とか言われると困るのですが、↑のいずれにしても、何かしら求められたものごとに対して応じる=response=responsibilityの感覚でいろんなことをこなしていることに、最近気づきました。その結果としてお金をもらう場合もあれば、自分の名前で世間様にものがいえるときもあれば、子どもが素敵な笑顔を見せてくれることもあります。でも、私にとって根っこはいっしょ。求められたものへの贈与です。
 内田樹先生のブログの「2006年1月17日分」に、このような文章がありました。(改行変更しています)

学術論文は違います。 読者がいます。 というか、一人でも多くの読者に、少しでも長い期間にわたって「読み継がれる」ということ、それこそが学術論文の価値を構成するのです。 まだ見ぬ読者に向けて書くこと。 その心構えに学術性のアルファからオメガまでが含まれます。 きちんとしたデータを示すのも、典拠を明らかにするのも、合理的でていねいな論証をするのも、できるだけ多くの先行研究や関連研究に目配りするのも、すべて「読者のため」です。 (中略) すぐれた学術論文というのは、「あなたがもしその問題に興味があるけれど、まだよくわかっていない」初学者だったときに「ぜひ読みたい」と思うし、「読んでよかった・・・」と思えるような論文のことです。 書いてくれたひとに「ありがとう」と言いたくなるような論文のことです。 贈与なんです。 学術性の本質は。

贈与すること。学術的態度は、もちろん、大学院に入ってからずっと鍛えられたことですが、結局、仕事を受け、それに対して書いていくことは、論文であれ評論であれエッセイであれ、小文であれ、私にとっては同じ「贈与」の意味があります。子育てもそう。そして、いずれのどちらも、贈与させてくれることによってこそ、生む力が生まれてくる恵みです。
 そして、「自分のため」と思われる研究の方も、どうも違う。私の中のもうひとりの私というか、児童文学研究に連なることども、ことばのもつ大きな力に胸を借りている「鈴木宏枝」が求めることを書いている、だから身銭を切ってでも、就職の先が見えなくても、とにかくやらなければならない、「鈴木宏枝」に対する贈与であるように感じています。
 贈与する身体的な意味での私にも趣味があって、それはパッチワークだったり、おいしいものを外食したりすることで、でも、今はそういうことは当面お預けです。でも、まあ、いいか、と。こういうほうは老後の楽しみにとっておきます。あと、こういったすべての贈与をさせてくれる相手に感謝と、それを一緒にマネージメントしてくれる相方にも感謝です。

Tくん、1歳おめでとう。生まれてきてくれて、ありがとう。

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早稲田vsトヨタ自動車

 夜の録画放送で、今季のベストゲームを見ました。日本選手権の2回戦、早稲田vsトヨタ自動車です。セットプレイが全然安定せずに単調に自滅していくトヨタに対し、早稲田が小憎らしいほど、隙がなく、低いタックル、切れない集中力、強いモール、安定したラインアウト、練習通りのパスワーク、もてる力を存分に発揮して、28-24で勝利しました。これ、ライブで見ていたら、最高に盛り上がっただろうな、と秩父宮のお客さんがうらやましく。
 単純に試合としてもおもしろく、結局終始早稲田がリードして逃げ切ったわけですが、めまぐるしく攻防が入れ替わる場面もあり、好機を逃すまいとまさに戦いあった2チームの80分が、じつにおもしろいドラマでした。今日の早稲田は強かった。うーん、かっこよかった。
 清宮は勇退で古巣のサントリーに戻るとか。早稲田は「強い」から「最高に強い」となったわけですが、その強さを維持することこそ、学生で一番難しいことでしょう。でも、まだこのチームでのもう1試合、東芝へのチャレンジが見られるのが楽しみです。早稲田は磐石の東芝からトライを取れるでしょうか。

 ラグビーを見ていても、ハーフパイプでもクロカンでも、アスリートは下半身がどれだけしっかりしているかなんだなーと思います(素人目ですが)。私も、自分の立場や分野で、どっしりしたアンコ型の仕事がしたいと思います。

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ナルニアの間違い

 それで、次号の「ネバーランド」の次号はナルニア特集で、私も「食」にからめた小論文を書きました。ゲラ直しも終わっています。こちらは映画公開まであと半月。今日、新聞広告の中に、マクドナルドのハッピーセットのチラシがありました。ペベンシーきょうだいやライオンのフィギュアはまあともかくとして、映画の説明のところに「第二次世界大戦下で疎開してきたきょうだい云々」と書いてありました。のぉ~!第一次世界大戦です!! 
 マクドナルドの間違いかと思ったら、公式サイトでも第二次世界大戦になっていました。まあ、一次でも二次でも、話の大筋に関係ないといえばないのですが…気持ち悪いことこの上ありません。
 本家サイトではどうなっていたか調べてみたら

Four children, Peter, Susan, Edmund and Lucy Pevensie, are sent into the country to live with Professor Kirke because of the air-raids on wartime London. On their first morning, it pours with rain and they play hide-and-seek indoors.
http://books.narnia.com/movielanding.html

でした。wartimeだから、日本人感覚として当然「第二次世界大戦」にしちゃった、というところでしょうか。お粗末です。claimしてみましょうか。それとも、映画の設定が第二次世界大戦下なのでしょうか。

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ネバーランド

neverland5 うっかりご紹介を忘れていました。ご高著拝受、てらいんくの季刊誌「ネバーランド」の5号です。特集は前川康男さん。日本のファンタジーが中国で翻訳出版された全集の序文に前川さんが書いた、中国の読者への呼びかけにこたえて、前川さんが亡くなった後も、海を越えて読書感想文や手紙が日本の出版社に届くというエッセイ(中尾明さん)や、奥様と矢崎節夫さんとの対談がおもしろかったです(前川康男さんと私は、誕生日が同じでした!年末の西洋風にめでたい日です)。

 特集のほか、佐々木赫子さんの紹介されているThrowaways(1992)(「新・児童文学に見る平和の風景」)が印象に残りました。鈴木出版さんの海外児童文学シリーズに入ってもいいのでは?

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子どもがたくさん

 のんちゃんとのんちゃんのお友達のようこちゃんとえまさん、それぞれの子どもたちが家に遊びに来てくれました。大人4人、幼児4人、赤ちゃん3人です。別テーブルに料理はまとめ、低いテーブルで食べるバイキング形式にしてランチとお茶をしました。出し忘れがないように自分の備忘録にしたメニュー表がおもてなしっぽくて、我ながら雰囲気が良かったです。
 ちなみにメニューは、『天然生活』を見て作った中華おこわ(しょうゆを倍量にするのを忘れてかなり薄味になったけど、お子様にはこのくらいでよかったとフォローしてもらいました)、マカロニを使ったミートソースのラザニア風(レンコンしゃきしゃきがポイントです)、ローストポーク(ジャムとしょうゆで焼き付けてからオーブンに入れるパターンに凝っています。今日はレモンカード)、新じゃがとなすとかぼちゃのオリーブオイル焼き、「モンレーブ・キャトル」のミニフランスパン、クラッカーとサーモン&きゅうり&チーズ(中沢のゴルゴンゾーラスプレッドはみんなもはまっていました)。デザートはのんちゃんがコストコで買ってきてくれたそのまま食べられるぶどう、「ルージュ・ブランシュ」のマロンロールケーキ。それから、ランチのあとに、お子様たちに粘土のようにコロコロクッキーをまるめてもらって焼きました。形はばらばらで、火の通りが均一ではありませんでしたが、焼きたてのほろさくがおいしかったです。ちなみに稲田多佳子さんのレシピです。ぶどうはほんとにおいしかったです。実はワイン用なのでは?とだんなさんと話しましたが、酸味もなくすっとした味わいで、皮ごといけるので食べやすい。のんちゃんには、メープルシロップのお土産もいただき、ありがとう~。

 Tさんはのんちゃんの長男リツくんと5ヶ月くらいのときから仲良しです。住んでいる所が遠いのでめったに一緒に遊ぶことはないのですが、会うなりすごく仲良く遊べます。この日も、かくれんぼ、トーマス、二段ベッドときゃっきゃとはしゃいでいました。一番にいちゃんのリツくんはちょっと惚れちゃいそうな男っぷりのよさとそのわりに笑いに走るところがもてっぽいです。リツくんの弟キョウくんとTくん、ようこちゃんのベビーのななちゃんは同学年。キョウちゃんは半年上のためもうしっかりしていて、幼児たちの電車遊びの後ろを自分もその気でしっかりマイペースでついていきます。ぶーんと行って走り去る幼児の少し後ろをゆっくり、小さい声で「ぶーん」と言いながらゆっくり進んでいく様子は漫画か映画のようでした。ななちゃんとTくんは1ヶ月違わないので比較的おなじ。赤ちゃんせんべいを受け渡したり、ベランダではいはいしたり、それなりに交流していました。
 Tさんと同学年でミックスツインの大地くんと青空ちゃん。おお、美しい双子で見とれてしまいました。かわいい子ども服を作れるえまさんをつくづく尊敬です。ポイントでおそろい服を着てなんとも愛らしい。はじめましての家で少し緊張もあったようですが、2段ベッドの2階にもあがったし、最後はみんなでトーマスで遊んでいました。

 親たちもそれなりにゆっくりしました。コストコが皆さんのhighly recommendedです。ほんと、私も行ったらバカ買いしそう。

 もっとぎゅうぎゅうになるかと思ったけど意外に大丈夫でした。ようこちゃんは児童館でもしかしてまた会えるかも。せっかくプチご近所だし、またTくんと仲良くしてほしいです。双子ちゃんもTさんも4月からはそれぞれ地元の幼稚園です。生活が変わって思いもかけないハードさが出てくるのでしょうか。またそういう話もしたいです。
 Tさんはのんちゃんのフィンランドエアー土産の大きなムーミンぬいぐるみと寝ました。「みどりいろのは?」って、しっかりもうひとつも見てたのですね。ノンノンはななちゃんのおうちです。おそろいよ。
 またぜひ遊んでくださいね。寒い中、来てくれてありがとうございました。

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青山散歩

 のんちゃんに青山ランチにつきあってもらいました。めざすは「糖朝」で、11時半過ぎに、少しだけ待って入れました。ベビーカーに配慮もしてもらい、とても親切なお店でした。出たのは12時半でしたが、その時点では長蛇の列。いいときに入りました。
 うわさどおり、すんごくおいしかったです。まさに旨みが凝縮されたスープ、ザーサイも、ジャージャー麺もすばらしい味わいでした。デザートは私はタピオカ入りミルクティに、のんちゃんはフルーツ入りココナッツミルクにしましたが、お互い一口ずつ交換して「おいしい~」と目がまんまるに。いやー、幸せ幸せ。
 息子たちがお互い寝に入っていて「親孝行な♪」と思っていたら、料理が来た瞬間にTくんは目を覚ましました。しまった…。でも、抱っこして少しだけ麺を食べ、持参のせんべいを食べ、おいしいスープを飲み、のんちゃんに借りた指人形で遊んで、まあまあ大丈夫でした。Tくんは、表情は豊かなのですが、あまりしゃべりません。何かステキなことがあると、無言で目をきらきらさせて見上げるタイプです。店ではありがたいことですが、抱っこして~のときはすごい勢いで迫ってくるので大変です。まあ、これも個性でしょうが。
 ABCで本を見て、シトロエンの前でコーヒーを飲み、そこでTくんはスコーンを食べました。私もかけらを食べました。Tくんは椅子もかじっていました。やれやれ。私は、家コーヒーも好きなのですが、外で飲むカプチーノはまた格別です。
 とりとめのないことをいろいろ話しました。のんちゃんは、なんといっても、私の育児の希望の星です。のんちゃんが妊娠・出産・育児を心から楽しんでいたり工夫したり考えたり率直に悩んだりしていることを、少し先で示してくれ、また現在もそうしてくれているおかげで、私もTさん、Tくんとの時間を楽しめています。ほんとです。いつも存在にありがとう。

 私は待ち合わせ場所で、椅子からありえない落ち方をしてひざを強打し、いまだに痛みます。年を感じます。
 帰るとTOEFLの結果が来ていました。240点なので、PBTに直すと587点、ある程度はクリアされましたが、はっきりいって全然納得のいかない結果でした。次回、CBTで250点(=PBTで600点)を目指します。

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まりこちゃん

 夏以来ぶりくらいに、ようこちゃんの家におじゃましました。Tさんは「まりこちゃんと遊ぶんだ」とはりきって、朝からパンダのリュックを背負い、両手に荷物を下げて、どこまで大旅行に行くのだねといういでたちでうろうろしていました。
 Tくんがものすごくタイミング悪く寝てしまったところを30分で抱き上げて、何がなんだか分からない状態のまま自転車に乗せてうかがいましたが、ちょっと遅刻してしまいました。
 楽しみにしていたわりにはシャイになるTさんです。でも、お医者さんごっこのおもちゃやディズニープリンセスのクレヨンを出してもらって、若い者は若い者同士であっという間に楽しい時間になりました。パイ生地をねじって、煮リンゴとつけあわせるデザートを作ってもらい、クッキーやドーナツなど私はオヤツをたくさんいただいてしまいました。
 正味2時間ほどのおじゃまで、time fliesでしたが、上の女の子同士、下の男の子の赤ちゃん同士で一緒にいられるというのは貴重なひとときでした。来月はおひなさまパーティをやりたいなと思っています。

 帰ってきてからせっせと原稿を書いています。北欧のレイキモッキというミニチュアの家。こんなのが庭にあって、しかもその裏が湖でサウナを浴びてそのままどぶんとできたりしたら、もうサイコーですね。考えていると現実逃避したくなるので、再びお仕事モードに入ります。

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いま、この研究がおもしろい

 修士の友人であるきよみちゃん、もとい大竹聖美さんが書いていると本人に教えてもらい『いま、この研究がおもしろい』(岩波書店編集部編、岩波ジュニア新書、2005/06)を取り寄せました。文系、理系、両分野にわたる学際領域など、14の「研究」が研究者から語られています。たとえば「音楽を通じて人々の「想い」を理解する」<ラテン・アメリカ音楽研究>(西村秀人さん)、「昔の環境を科学する」<植物遺伝学>(佐藤洋一郎さん)など。大竹さんは「韓国の絵本と児童文学にひかれて」<韓国児童文化研究>で寄稿されています。
 3年前の白百合での研究退会で、韓国で書いた博士論文の一端を発表された大竹さん。内容もすごく興味深く、そのachievementがすばらしいものであったことを、そのときに改めて理解しました。植民地時代の韓国の児童文化財・児童文学の読み解きというのは、まさに大竹さんにしかできないエキサイティングな掘り起こし作業だったと思います。
 正直、修士を出てからやや道が離れていました。大竹さんは、単身韓国に留学して教育学博士を取り、韓国で専任職を得て教えて、2年前に帰国して、今は東京純心女子大学の助教授という華々しさですが、そのすばらしいアカデミックの道がどう彩られ、様々な出会いを引き寄せて至ったのかということはあまり聞く機会がありませんでした。それが語られているこのジュニア新書は、本の意図からは多少はずれるかもしれませんが、何か、電話で楽しく近況を聞いたような、良かったね、楽しくて恵まれて良かったね、と笑いかけられるような、そんな本でした。

 もちろん、意図通り、一般人にはなかなか想像のつかない分野の「研究」を知るにもいい1冊だと思います。研究は自分のためですが、必ず利他的であること、どういうものであれ。その態度が、それぞれの研究者をまた、魅力的にしているようにも思います。私も一研究者として、ひそやかに目指す方向と決意を新たにしています。

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