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トーベ・ヤンソン「ムーミン谷の素敵な仲間たち展」

 Tove Jansson and Friends from Moominvalley Exhibition 大丸東京の大丸ミュージアムで7月29日~8月10日開催。全国を巡回してここが4箇所目、次の福岡で終了。
 ムーミンの原画は以前にも展覧会で見たことがあったが、インクのペン画の細やかな線、白黒の中に展開される世界や登場人物たちの表情などは、やはり原画ならでは。表紙は彩色だがその色合いも、なんともいえず北欧を感じさせられる。最初の「小さなトロールと大きな洪水」の、完成形とは全然違うムーミンたちが、意外に好きだ。小国の悲哀など政治的な文脈でも語られることの多いシリーズ/作品であるが、その「ちいささ」のゆらぎとたとえばムーミン・ママのあたたかみなどが、より原初的に表現されているように感じられるから。
 それから、今回は、ヤンソンの油絵に惹かれてしまった。憂いを帯びたような色調もよかったし、こういう作品があってこそのムーミンの絵なんだと思える。「ローマのカフェ」が好きなのだが、図録にはさらにゴッホの「夜のカフェテラス」(1888)もあって、印象派の影響、という解説になるほどと思った。
 風刺画はあまり好みではないが、ムーミンのマンガの方は、下書きと実際に新聞に載ったものとでずいぶん絵が違うんだなーとおもしろく思った。月が満月から三日月になっていたり、背景が変わっていたり、水にすべりおりていく登場人物たちの順番が変わっていたり。
 ヤンソンさんに個人的に贈りつづけていたという造形作家の谷口千代さんの、紙粘土ムーミンのオブジェたちも素敵だった。ショウケースの中の、ムーミン作品の様々なシーンから採った作品の数々に、谷口さんの愛情と、イマジネーションを喚起させるムーミンの力とを思った。単純に、「欲しいなあ」と思ってしまった。優しい表情のムーミンやスナフキン、見えないけれど存在感があるニンニなど。

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